クレジットカード審査事項

クレジットカードの申込をした場合、
その人が信用に値するかどうかを判断するために
一般的に審査される事項について解説しています。

クレジットカード審査事項

クレジットカード発行に当っての審査事項には次のようなものがあります。

これは、一般的に行われているもので、個々のクレジット会社により付加される事項や審査されない事項もあります。

  1. 本人確認
  2. 性格
  3. 能力
  4. 資産
  5. 開示
  6. 個人信用情報機関の記録
  7. オーソリゼーション

審査事項その1 『本人確認』

クレジットカード契約における審査においては、契約を結ぼうとする消費者にクレジットカード契約の代金をきちんと支払う能力と意思があるかどうかを見極めることがポイントになります。これらは漠然としたもので計測することは難しいのですが、その前にもっと重要なことがあります。

もしクレジットカード契約の申込をしてきた人がまったくの別人である、あるいはこの世の中に存在しない場合は、クレジット会社は請求先のないクレジットカードの売上をひたすら溜め込むことになります。いうまでもなく不良債権です。クレジットカード会社としては絶対にやってはならないことの一つです。

クレジットカードをめぐる犯罪にはいろいろな手口がありますが、騙して信用供与させる方法はクレジットカードだけではなくショッピングクレジットや消費者金融などにも共通します。このような詐欺行為は、本人がクレジット会社などから金品を騙し取ることを目的に入会申込書に虚偽の申告をする場合と、第三者がある人(実在しないこともある)になり代わって契約の申し込みをする場合などがあります。

そのような方法でクレジット会社からクレジットカードを発行させるのには、いろいろな手口があります。犯罪者は一般的に犯罪実行にかかる労力と捕まった場合の刑などと、それによって手にできる価値によって、その犯罪を実行するかどうか決めるといわれています。

このような犯罪を防ぐために、2003年に施行された本人確認法があります。この法律はテロ対策として不正に開設した銀行口座を利用した取引を防ぐことなどを目的としているのですが、金融取引全般が対象になることからキャッシング機能のついたクレジットカードも対象になります。詳しい説明は避けますが、クレジット会社がクレジットカードを発行するときは、必ず本人が確認できる公的な身分証明書(運転免許証など)を確認しなければならないとしています。

しかし身分証明書の偽造も犯罪者の仕事です。そこでクレジット会社がクレジットカードを発行するときに必ず本人と対面し、必ず本人に手渡すようにすればこのような問題は少なからず解決します。しかしそれでは申込む人もカード会社もその負担は大変なものになります。またアメリカのように社会保障番号をすべての人が持っていれば、個人の特定はそれほど難しくありませんが、わが国にこのような制度はありません。

対策としてクレジット会社がとっている一般的な方法は、申込書に記入された居住地と勤務先への電話による確認です。

クレジットカードの発行対象者は、定期的な収入のある人が原則ですからこのような方法が有効なわけです。またクレジットカードを送付するときは、必ず配達記録が残る方法が取られています。

審査事項その2 『性格=キャラクタ(Cbaracter)』

この審査では、性格的な資質を審査します。クレジットカードの契約をよく理解し、契約に従って円滑に運用できる能力と意思の有無。つまり計画的に買い物ができて、支払いがきちんとできる人かどうかを審査します。

審査事項その3 『3.能力=キャパシティ(Capacity)』

この審査では、クレジットカード取引を円滑にできるだけの、安定した収入の有無を審査します。つまり性格的に問題がなくても収入が不安定だったり、少ない場合は支払いは困難になりかねません。勤務先などから客観的に判断できるものです。

審査事項その4 『資産=キャピタル(Capital)』

この審査では、支払いを保障する担保の有無を審査します。収入が安定しているといわれている会社員でも、最近では収入が途絶えることがそれほど珍しいことではなくなっています。その際に支払いを保証できる担保の存在をみることになります。勤続年数とか持ち家、賃貸などの住居の形態などから客観的に審査することができます。

審査事項その5 『開示=ディスクロージャー(Disclosure)』.

記入されている内容に問題がなくても、審査の過程でそれらに虚偽の記述があった場合は、そもそも信用供与に値しないという意味です。

したがってクレジット会社の審査は3CプラスDということになります。

このような基本的な考え方に従って、クレジット会社は入会申込書に記入されている内容を審査します。

初期の審査としては一般的にスコアリングといわれる方法が使われます。申込書記載事項のそれぞれに点数をつけて、一定点数に達した場合は次のステップに進みます。

例えば住居の項目には持ち家本人名義、持ち家家族名義、借家などと選択肢がありますが、これらのそれぞれに点数をつけて判断するのです。もちろん年齢などのライフステージも考慮されていて、すべての年齢層にその基準を当てはめるわけではありません。20代で自己名義の持ち家というのは、相当困難なことだからです。

また、絶対この基準は必要といった条件をつけることもあります。総合点では問題なくても、どれか一つの項目で基準を満たさない場合は却下の対象とするという意味です。

審査事項その6 『個人信用情報機関の記録』

審査のもう一つの方法は、個人信用情報機関に申込者の過去のクレジット利用履歴を問い合わせることです。

過去に不払いをしたことのある消費者は、同じことをする可能性が高いと予想できます。支払い計画をきちんと立てて、その通りに支払うことは、一般的な経済観念の持ち主であればそれほど難しいことではありません。なにか事故にあったり、理由があれば別ですが、その際はそれなりの対応がされているはずです。

また、すでに支払い能力を超えるような債務を抱えているとクレジット会社が判断した場合は、過去の返済に問題がなかったとしても申し込みは却下されます。

支払い不能になるかもしれない消費者にクレジットカードを発行することは、クレジット会社にとっても、さらに債務を増やすかもしれない消費者にとっても不幸な結果になります。

クレジットによる多重債務の問題は、クレジットカード会員のクレジットカード利用の方法にも問題があるのですが、クレジット会社の信用供与が適正ではなかったと言うことでもあります。

それはともかく、このような審査の手順を踏んで問題なければクレジットカードが発行されますが、これは物理的な現象をいうもので、正確には信用を供与することから「与信する」といいます。

さらにこのような申し込み時点の審査に加えて、クレジットカードの更新時などに、再度審査を行う途上与信も行われています。そもそもクレジットカードに有効期限を設け、数年に一度クレジットカードを更新するのは、途上与信の考え方に従ったものです。

わかりやすい例では、引っ越しなどで住所が変わったにもかかわらず、届け出をしていない人などを確認する意味があります。

このような事務管理上必要な途上与信に加えて、当該クレジットカードホルダーの利用状況をみて不都合と思われるような使い方をしている場合、もしくは多額に債務が増えている場合には更新を見合わせることもあります。

一般的な審査の方法はこのように進められていますが、初期審査も途上与信も各社のノウハウによってかなり違いがあります。例えば信用情報機関に照会するタイミングでは、自社でスコアリングしてから照会する場合と、先に情報機関に照会を済ませてから審査に入る場合があります。ただしどちらが優れているというものではありません。

またスコアリングの方法も、ここで紹介したような積み上げの考え方によるものと、個人信用情報機関の情報を利用して、未来の一定時点の不払いや自己破産になる確率を出す方法があるそうです。その確率に従って与信の決定水準を決めていくもので、徹底したリスク管理の発想から生まれたものだといわれています。

このように個人信用情報機関は、クレジット会社の信用調査業務に欠かせない存在になっています。

審査事項その7 『オーソリゼーション:販売時点の信用調査』

クレジットカード入会申込者がクレジットカード会員になったとしても、時間の経過とともに信用力が下がってしまうことも多々あります。

クレジットカードは契約の際の信用調査とは別に、クレジットカードで商品を販売する際にも調査があります。これをオーソリゼーション(販売承認)といいます。クレジットカードの物質的な価値はお金と同じでほとんどありませんが、悪用されるとまるで偽札のように大きな金額が被害額として膨らみます。

悪用は大きく二つに分けられます。いったん発行されたクレジットカードは、有効期限まで消費者の手元にあって利用されますが、そのクレジットカードホルダーが支払いの気持ちがないのに使う場合と、そのカードがなんらかの理由でクレジットカードホルダーの手を離れて第三者の手元に渡ってしまう場合です。つまりオーソリゼーションは販売店の販売時点でのクレジットカードホルダーの信用状態のチェックと、不正使用を防止するという目的があるのです。

正規のクレジットカードホルダーの場合は、支払い状況のチェックを行います。ほとんどのクレジットカードは金融機関の口座振替を利用して代金の支払いを行いますが、残高不足などで決済ができなかった場合は、支払いが行われるまでクレジットカードの利用が停止されます。

ただしこれはオンラインでオーソリゼーションが行われている場合であって、それ以外の紙の伝票が利用されているような店舗では実際のところ困難です。このような場合は、一定のルールのもとでクレジットカードの取り扱いが行われます。

オンラインの処理は加盟店信用照会端末(CAT‥credit authorization terminal) で行われます。CATは共同端末として加盟店に設置されるので、当該加盟店が契約しているカードはすべてこの端末で処理されます。加盟店でカードをCATに通すと当該カード会社までカードの情報が飛んでいき、カード会社はそのカードについて調べて販売の可否を返します。CATは単一の店舗を構える加盟店が利用するものですが、大型店ではPOSにCATの機能を持たせています。

盗難や紛失で第三者の手に渡ってしまったクレジットカードが販売承認されないためには、その届け出がクレジットカードホルダーから出されていることが条件です。やはりオンラインの加盟店の場合に限られます。届けが出された以降は、そのカードのオーソリゼーションの情報がカード会社に飛んでくると、カード会社は承認を出しません。

オーソリゼーションとは簡単にいうとこのようなことなのですが、さらに基本的なことがあります。クレジットカードを利用できるのは必ず本人という大原則があります。たとえ夫婦であっても、一枚のカードを共有することはできません。これは不正使用を防止するためには当然の措置とでもいうべきものです。

そのために使われるのがサインの照合です。クレジットカードの裏面にあらかじめ本人がしたサインと、伝票にするサインが同一であるかを確認します。しかし契約には印鑑を押すのが長い間使われてきたわが国の慣習ですから、このサインの照合は業界で種々の啓発活動を行っているにもかかわらず、残念ながらあまり浸透していないのが現実です。


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